簡易課税制度とは
消費税の計算方法には「原則課税」と「簡易課税」があります。
- 原則課税:実際の売上と仕入をもとに消費税額を計算
- 簡易課税:売上に業種ごとの「みなし仕入率」を掛けて計算
基準期間(2年前)の課税売上高が5,000万円以下であれば、「消費税簡易課税制度選択届出書」 を提出することで簡易課税を選択できます。
届出書の提出期限(原則)
通常は、簡易課税を適用したい課税期間の初日の前日まで に届出書を提出する必要があります。
例:2025年4月1日から始まる事業年度で適用したい場合 → 2025年3月31日までに提出。
インボイス制度に伴う特例(令和11年9月30日を含む課税期間まで)
免税事業者がインボイス発行事業者として登録した場合、登録日から課税事業者となります。
このとき、通常のルールでは前日までに届出ができないため、以下の特例が設けられています。
- 令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間中にインボイス登録をした免税事業者
- 登録を受けた日から課税事業者になる課税期間について
- その課税期間中に届出書を提出すれば、その課税期間から簡易課税を適用可能
2割特例・3割特例の後に簡易課税へ移る場合の特例(令和8年度改正)
2割特例や3割特例を使った事業者が、その翌課税期間から簡易課税に切り替えたい場合は、翌課税期間の確定申告期限までに届出書を提出すれば、翌課税期間から簡易課税を適用できます。この取扱いは、翌課税期間が令和8年10月1日以後に終わる場合に適用されます(それより前に終わる場合は、翌課税期間中の提出が必要です)。
- 例:個人事業者が令和8年分に2割特例を使い、令和9年分から簡易課税にする場合 → 令和9年分の確定申告期限までに提出
- 例:3月決算の法人が令和9年3月期に2割特例を使い、令和10年3月期から簡易課税にする場合 → 令和10年3月期の確定申告期限(令和10年5月31日。消費税の申告期限の延長特例を受けている法人は、延長後の期限)までに提出
なお、法人には3割特例がないため、2割特例が終わった後は原則課税か簡易課税で申告します。
まとめ
- 簡易課税制度は原則「課税期間の初日の前日まで」に届出が必要
- ただし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間中にインボイス登録をした免税事業者は、登録日を含む課税期間中の届出でもOK
- 特例を使えば、登録初年度から簡易課税を選択できます
- 2割特例・3割特例を使った翌課税期間は、その確定申告期限までの届出で簡易課税に移れます(令和8年度改正)
👉 免税事業者からインボイス登録した方は、この特例を利用できるかどうかを必ず確認しておきましょう。簡易課税と原則課税のどちらが有利かは業種や経費の内容によって異なりますので、判断に迷う場合は税理士法人アストラストへご相談ください。
※本記事は令和8年9月19日現在の法令・国税庁公表資料に基づく一般的な説明です。実際の取扱いは、個別の事実関係によって異なります。