法人の決算で赤字が続いていると、税務調査の際に税務署から確認されやすいポイントがあります。
それは 「赤字なのにどうやって生活していたのか?」 という点です。
税務署が確認したいことの一つは、申告していない収入(いわゆる裏収入)がないかどうかです。そのため、生活費や資金繰りの根拠を明確にしておくことが大切です。
なお、社長が会社から役員報酬を受け取っていれば、生活費の説明は通常それで足ります。この質問が出やすいのは、赤字のために役員報酬を少なくしている、または受け取っていない場合です。
なぜ税務署は生活費を確認するのか?
赤字決算=会社に利益がない、という状態です。
にもかかわらず社長や家族が通常通り生活していると、税務署は次のような疑いを持ちます。
- 売上の一部を申告していないのでは?
- 個人収入を申告から漏らしていないか?
- 会社のお金を私的に使っていないか?
特に 現金商売の会社 や 同族会社 は重点的に調査されやすいといわれています。
税務調査でよく聞かれる質問
実際の税務調査では、次のような質問が頻出です。
- 「赤字の間、どうやって生活していましたか?」
- 「生活費の資金源を教えてください」
- 「会社以外の収入はありますか?」
この質問に対してスムーズに答えられるよう、事前準備が欠かせません。
説明の仕方と具体例
赤字の時期の生活費については、次のような答え方が一般的です。
- 過去の貯蓄を取り崩していた
- 親族からの借入で補填していた
- 不動産収入や副業収入を生活費に充てていた
ポイントは、資金の出どころを 明確かつ具体的に説明できること です。
特に借入の場合は、借用書や返済実績があると一層信頼性が高まります。
用意しておきたい証拠資料
言葉だけではなく、裏付けとなる資料を整えておくと調査官を納得させやすくなります。
- 預金通帳の入出金記録(貯金を取り崩した証拠)
- 借用書や返済記録(親族・知人からの借入の場合)
- 他の収入(不動産・副業など)の源泉徴収票や帳簿
- 役員借入金の契約書・返済スケジュール
まとめ:赤字法人は「説明+証拠資料」で安心
赤字が続く法人(特に役員報酬が少ない・無い法人)の税務調査では、生活費の出どころを聞かれることがあります。ただし、赤字の法人でも、生活費の出どころに加え、経費の中身や翌期以降に繰り越す欠損金の額も確認されます。資料を揃えて具体的に説明できれば、調査は円滑に進みやすくなります。
また、法人の赤字(欠損金)は、青色申告などの要件を満たせば最長10年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます(法人税法57条)。この繰越しには、赤字が生じた事業年度の帳簿書類を保存していることが条件となるため、赤字の年の帳簿や証拠資料も長く保管しておきましょう。
もちろん、実際の税務調査には 税理士法人アストラスト が同席し、社長様を全面的にサポートいたしますのでご安心ください。
※本記事は令和8年9月18日現在の法令・国税庁公表資料に基づく一般的な説明です。実際の取扱いは、個別の事実関係によって異なります。